距離

私はパーソナルスペースを広くとりたい性質であり、知らん人にすぐ側をすり抜けたりとかされると、ゾワゾワして殴り倒したい衝動に襲われます。
いろいろ抑えがきかない老人になった時、本当に殴っちゃうんじゃないか心配です。
そんなわけで、ソーシャル・ディスタンシングが叫ばれ始めた時は、理由が伝染病であるというのはさておき、これは私の時代がきた！と思いました。
せっせと片道40分を自転車（しかも普通のタウンバイク）でバイトに行ってたのは、混んだ電車に乗りたくないからだし、ウチのアパートでは先にエレベータを待ってる人がいるのが分かった場合はエントランスにも入らず、その人がいなくなるのを待つということを、コロナ以前からやっておりました。

ところが、密だ密だと言いながら、みなさん全然距離をとってくれないではあーりませんか。
先に人がいたので、いつものように見送って、次のエレベータを待ったある日。
私が乗った後ろから二人組がバタバタと走ってきてギュウギュウと乗り込み、降りようにも唯一の出入り口も塞がれてしまいました。
何の意味もありあません。
駅で体当たりしてくるオヤジは減らないし、レジでは前へ詰めろとぐいぐい押されるし、他に誰もいなくてどこでも座席選び放題なのにわざわざ隣に座られたり。
もしかして、自分が気が付いてないだけで、実は私は存在していないん？？？

・・・。

先日、どこかの部屋へレッスンに来たと思しき、いかにも持ち慣れない楽器ケースを抱えた二人連れが、エントランスでもたくさやっていて、少し離れた所で住人らしき女性が、彼らがエレベータに消えるのを待っていました。
ようやくドタバタと乗り込んで、郵便箱のチェックを始めた女性に気づいた彼らは、
「乗れますよ！」
と声をかけました。
「行っちゃってください」
たぶん彼女は私と同じ魂の持ち主でありましょう。（笑